XRPLで発行される独自トークンのエアドロップ
リップルのブロックチェーンはXRP Ledger(XRPL)と呼ばれています。
XRPLでは、イーサリアムのERC20のように独自トークンを発行することが可能で、沢山のプロジェクトがXRPL上で独自トークンを発行しています。
各プロジェクトは認知度を高めるために、トークンをエアドロップ(無料配布)することがあります。
リップルにはDeFiプロジェクトがほとんど存在せず、XRPを保有していても運用方法がレンディングプラットフォーム(例えばnexo)に預けるなど、非常に限られています。
nexoは大手レンディングプラットフォーム nexoは2017年にAntoni Trenchev氏らによって設立された暗号資産レンディングプラットフォーム(保有する暗号資産を預けて運用してもらうことで利回りを得られるクラウドサービス)です[…]
そのため、レンディングプラットフォーム以外の運用方法も欲しいという方には、このエアドロップが1つの選択肢になるでしょう。
過去にはこのエアドロップで手に入れたトークンの価値が数万円~数十万円になったケースがあります。
XRPL(XUMM)エアドロップの参加方法
①エアドロップ対象のトークンの調査
XRPL上でどのようなプロジェクトのトークンのエアドロップが予定されているかを知らないことにはエアドロップの恩恵を享受できません。
エアドロップが予定されているトークンが一覧化された素晴らしいスプレッドシートが公開されていますので、そちらを活用しましょう。
なお、こちらのスプレッドシートを作成しているツイッターのアカウントはXRP Airdropsです。
https://twitter.com/XRP_Airdrops/status/1496248299917094918
このスプレッドシートを見れば、トークン名をはじめ、公式ツイッターアカウント、エアドロップ日、各種条件などを確認できます。
通常はこの中から興味のあるトークンを選びます。
全てのトークンが網羅されているとは限らないため、もし他のプロジェクトを探したい場合は、ツイッターで検索するのが良いでしょう。
②XUMMウォレットの作成とアカウントの有効化
ウォレット作成
XRPLのエアドロップに参加するためには、リップル公式ウォレットであるXUMMをスマホにインストールする必要があります。
アプリストアで「XUMM」と検索すればヒットしますので、そちらを選んでインストールします。
インストール後は、アプリを開いてXUMMウォレットのアカウントを作成します。
アカウント作成途中、「秘密の数字」と呼ばれる6桁の数字を8パターン(A~H)書き留めるように指示されます。
これはアカウントを復元する際に必要となる秘密鍵のことであり、無くすと誰も復元できなくなります。
それだけでなく、秘密鍵が第三者に漏れると、XUMMウォレット内のトークンが盗まれる恐れがあります。
秘密鍵を教える行為は、お金の入った財布をその人に渡す行為だとご理解ください。
詐欺師たちはそれっぽい理由を並べたり、アプリを介したりしてあなたの秘密鍵を聞き出そうとしてきます。いかなる理由があろうと絶対に秘密鍵を他人に教えてはいけませんし、無くしてもいけません。
紙に書き留めたり、普段はPCに接続しないUSBメモリに保存しておくなりして大切に保管しましょう。
アカウント有効化とXUMMウォレットへのXRP入金
アカウント作成後は、アカウントを有効化しなければなりません。
アカウントを有効化するには、初回に1度だけ10XRPをデポジット(預入れ)する必要があります。
また、トラストラインと呼ばれる各トークンとの専用線を設定するのに1トラストラインあたり2XRPのデポジットが必要になりますので、10XRP丁度ではなく、30~40XRP位を取引所等で購入してXUMMウォレットのアドレスに送金しておきましょう。
なお、取引所からXUMMウォレットにXRPを送金する際、送金先のウォレットアドレスの他にタグ(メモ)の記載を求められますが、未記入で問題ありません。
送金先のアドレス(XUMMウォレットの入金アドレス)は、XUMMウォレットのホーム画面上部に記載されています。「r」から始まっているはずです。
日本語化
XUMMウォレットは日本語で表示することが可能です。
もし、英語の状態であれば、右下の「Settings」から「General」を開き、「Language」から「日本語」を選択します。
これで日本語で表示されるようになります。
③トラストラインの設定
XUMMウォレットにエアドロップしてもらうためには、必ずそのトークンのトラストラインを設定しなければなりません。
トラストラインとは、トークンの専用線のことであり、「このトークンとやり取りします」という許可のようなものです。
トラストラインを設定することで、XUMMウォレットにそのトークンが表示されるようになります。
トラストラインを設定することに対するリスクは特にありません。2XRPがデポジットでロックされるぐらいです。
トラストラインの設定方法ですが、各プロジェクトのツイッターにトラストラインのリンクが表示されていることが大半ですので、そちらをクリックして設定するのが一番簡単です。
ツイッターにトラストラインのリンクがない、もしくはリンクのURLを信用できないといった場合は、XRPL公式サイト「XRP Ledger Services」を使います。
XRP Ledger Servicesにアクセスして、「XRPL Tokens」タブを選択します。
トラストラインを設定したいトークンを一覧から見つけます。その際、トークン名やシンボル名を検索窓に入力して絞り込むと見つけやすいです。
仮にSOLOトークンのトラストラインを設定したい場合は、該当行の「Set Trustline」リンク(オレンジ色)をクリックします。
希望するトークンであることを確認したら、「Confirm」をクリックします。
QRコードが表示されます。そうしたら、XUMMのアプリを起動して、一番下中央のxvボタン(青色アイコン)を押して「QRコードのスキャン」で読み込み署名します。
この際、2XRPがデポジットとしてXUMMウォレット内の残高から差し引かれます。
トラストラインが設定されると、XUMMウォレットのホーム画面にそのトークンが表示されます。
エアドロップの条件がトラストラインの設定だけなら、後はエアドロップされるのを待つだけです。
④その他のエアドロップ条件の確認と対応
以前はトラストラインの設定だけでエアドロップされることが多かったのですが、一人で複数アカウントを所持して不正にエアドロップを貰ったりと問題が起きることから、最近は他に条件を設けるプロジェクトが増えてきました。
ここでは、代表的な追加条件を紹介します。プロジェクトが追加の条件を要求していないかツイッターの公式アカウントでよく確認しましょう。
スナップショットとトラストラインの設定期限
各プロジェクトはエアドロップするにあたって、事前に対象者を特定する必要があります。
対象者を特定するためには、ある瞬間の状態を保存しておく必要があり、それをスナップショットと呼びます。
スナップショット時のデータに基づいて、エアドロップ対象者を選定していくわけです。
従って、スナップショットがいつ行われるかを事前に把握しておき、その期限前にトラストラインを設定しなければなりません。
トラストライン数(TL数)
一定のトラストライン数(TL数)を上限にエアドロップする条件です。
先着順(トラストライン設定順)なので、新プロジェクトを定期的に監視していないと乗り遅れてしまいます。
ただ、仮に上限数を超えてしまっている場合でも、諦めずにトラストラインを設定してみましょう。
スナップショット前にトラストラインを削除する人、何らかの条件が不成立で除外される人、不正者で排除される人などが存在します。その場合、順番が繰り上がって条件クリアとなることがあります。
自分のトラストラインの番号はXRPL Statusで確認できます。
XUMMウォレットのアドレスを入力すれば、トラストラインを設定したトークンに関する様々な情報を確認できます。
ホワイトリスト
各プロジェクトが用意したフォームを提出してホワイトリストに登録された人にのみエアドロップする条件です。
フォームに記載しなければならない項目は各プロジェクトによって異なりますが、最低でもXUMMウォレットのアドレスを入力することになります(そうしないと紐づけできないため)。
入力期限が設けられていることが大半なので、見落とさないようにツイッターの投稿に気を配りましょう。
トークン保有者
そのプロジェクトのトークンを購入して、一定数保有している人にのみエアドロップする条件です。
必要なトークン量を購入する必要がありますが、高値圏で購入してしまうとエアドロップ後の値崩れによって逆に損してしまうことがありますので、注意が必要です。
コミュニティ
DiscordやTelegramなどのコミュニティに参加している人にエアドロップする条件です。
この場合、コミュニティ内にのみ通知することが多いため、コミュニティには参加しておくと良いでしょう。
コミュニティに入ること自体、手間も費用もかかりませんが、詐欺(スキャム)のDMが来ることがありますので、その点はご注意ください。DMは全部詐欺と考えてほぼ間違いありません。
GlobaliD
GlobaliDが認証したXUMMウォレットのアドレスにのみエアドロップする条件です。
まずは、GlobaliDにスマホからアクセスして、GlobaliDのアプリをインストールしましょう。
その後、画面の指示に従って入力し、アカウント登録を完了させます。
GlobaliDのアカウントが作成されたら、GlobaliDとXUMMを連携する手順を実施します。
途中、「どのアプリで開きますか?」のようなポップアップが表示された場合は、普段お使いのブラウザを選択すれば処理が継続されます。
なお、エアドロップするプロジェクトがトークンの自動配布ツールであるARDYを使用している場合は、ARDYへの認証も必要です。
ARDY認証手順画面を開き、「Verify」を押しましょう。
PCから操作した場合はQRコードが表示されますので、GlobaliDアプリ内の一番右下にある「Connect」で読み取ればOKです。
最終的にARDY認証手順画面でVerifiedが表示されれば成功です。
XRPL(XUMM)エアドロップの出口戦略
①トークン配布確認
エアドロップの条件を全てクリアしていた場合、エアドロップ日以降にあなたのXUMMウォレットのアドレスに該当のトークンがエアドロップされます。
エアドロップ対象者が多いと遅れることがありますので、神経質にならずに気長に待ってみましょう。
各プロジェクトがツイッターで「配布を完了した」等と投稿したにもかからず、届いていない場合は、条件を見落としていた可能性があります。
相手のミスと決めつける前に、まずは条件を再確認しましょう。
間違いなく条件を満たしていると判断した場合は、ツイッターのDM等を使って問合せしてみましょう。
②トークンの売却/ガチホ/運用
無事トークンが届いた場合、それをガチホするか売却するか決めます。
将来的な価値の上昇を見越しているならば、ガチホが良いでしょう。
そうではない場合は、受取後、すぐに売り払ってしまった方が利益を最大化できることが多いです。
エアドロップで配布されたトークンを売る場合は、XUMMウォレット内に付属するDex Tradeの他に、XRP ToolkitやSologenicといった取引プラットフォームを使うことが可能です。
最も手軽な方法はDex Tradeです。
XRPLの独自トークンはBitrueに最初に上場する傾向がありますので、Bitrueに上場された場合はそちらで売却してもいいでしょう。
XUMMアカウントおよびトラストラインの削除方法
デポジットしたXRPはXUMMアカウント削除時やトラストライン削除時に返還されます。
ただし、XUMMアカウント削除時の返還額は10XRP全額ではなく、8XRPとなります。2XRPはバーンされます(燃やされて消滅します)。
アカウント削除画面には、「返還先に取引所のアドレスや他のカストディアルのアドレスを指定すると資金を失う」という警告が表示されています。
問題ない返還先としてパッと思いつくのは別のXUMMウォレットですが、わざわざ別のXUMMウォレットに移すユースケースが思いつきません(一人で複数のXUMMウォレットを所持しているケースぐらいでしょうか)。
Trust WalletやExodus Wallet等であれば大丈夫かもしれませんが試したことが無いため断言できません。
アカウント削除は最終手段と考え、「戻ってきたらラッキー」ぐらいの気持ちでいましょう。
アカウント削除画面はXRP Ledger Servicesのトップページの一番下のメニューにあります。赤字が上述した警告文となっています。
他方、トラストラインの削除はXUMMウォレット上で行います。
削除したいトークンをタップすると「削除」が表示されます。「削除」をタップすると、そのトークンのトラストラインが削除されます。
トラストラインを削除する際は保有するトークンの残高を0にしておきましょう。
残っていると返還されないケースがあるようです。これはアカウント削除時も同様です。
XRPL(XUMM)エアドロップのリスク
XRPL(XUMM)エアドロップに関しては、それほど大きなリスクはありません。
考えられるリスクとしては、プロジェクトがエアドロップを急遽中止したりプロジェクト自体を放棄したりすることでエアドロップを受け取れないリスクとエアドロップ条件のためにそのプロジェクトのトークンを購入していた場合の価値急落リスクぐらいです。
前者の場合は、トラストラインを削除すれば2XRPは戻ってきます(厳密にはトランザクション手数料分は損します)ので、機会損失程度で済みます。
後者の場合は、大量のトークンを買っていたとしたら、相応の損失を被る可能性があります。
そのため、上述した通り、トークン購入が条件のエアドロップは見送る方が安全でしょう。
まとめ
XRPをガチホしていて運用先を探している人にとって、XRPL上の独自トークンのエアドロップは1つの選択肢になるでしょう。
エアドロップを狙うだけならリスクは低く、損失が限定的なのは魅力的です。
ただ、意外と調査や進捗チェックなどの手間がかかるため、費用対効果が高いかどうかは運(トークンの価値)次第です。
そのため、「エアドロップでがっつり稼ごう!」という姿勢ではなく、宝くじ感覚で楽しむ方が良いでしょう。
たとえ金銭面で美味しい想いができなかったとしても、色々なプラットフォームや運用方法に触れることで暗号資産全般に関するノウハウが蓄積されます。
その場合は、「経験という価値が得られた」と前向きに捉えましょう。
幸運を祈ります。